日本人に馴染みのある「緑茶」がアメリカをはじめとする海外でブームになっていることはご存知でしょうか?
東京税関の発表によると、緑茶の輸出数量・金額は年々増加傾向にあり、2017年は過去最高量と金額を記録したそうです。
特にアメリカでは、健康志向の高まりなどを背景として、緑茶人気が高まっています。
実際、アメリカのスーパーやコンビニでは、日本でもよく目にする緑茶飲料が棚に並ぶようになりました。
今回は、海外人気の高まりを見せている緑茶の効果やおすすめの飲み方についてご紹介します。
インフルエンザや肥満にも!緑茶の効果
健康食品やサプリメントなどにも配合されている成分が、緑茶の茶葉に含まれています。
これら成分には、健康や美容にいいとされる効能があります。
そのなかでも代表的な効能をご紹介します。
抗ウイルス
緑茶の渋味成分であるカテキンには、インフルエンザウイルスや小児の風邪の原因となるウイルス感染を抑制する働きがあります。
あらゆる食品のなかで緑茶にしか含まれていない成分のエピガロカテキンガレード(EGCG)や、テアフラビンジガレード(TF3)が結合することにより、細胞表面にウイルスが吸着するのを防ぐのです。
実際、静岡県菊川市の全小学校児童を対象とした疫学調査によると、1日1~5杯の緑茶を飲む習慣がある児童は、1日1杯以下の児童と比べてインフルエンザの発症が少ないことがわかっています。
また緑茶には、カテキン以外にビタミンCやテアニンなど免疫力を高める成分が含まれていることもあり、インフルエンザなどへの予防効果が期待されているのです。
抗菌
緑茶に豊富に含まれているカテキンは、虫歯や歯周病、食中毒菌などの原因菌に対して抗菌作用を発揮することがさまざまな研究でわかっています。
これは、緑茶に含まれるカテキンが虫歯菌に対して抗菌性を発揮し、歯垢のもとになるグルガンをつくる酵素の働きを抑え、虫歯菌が歯に付着するのを防ぐ働きがあるからです。
またカテキンは、抗菌作用だけでなく細菌が産生する毒素に対して解毒作用を示すこともわかっています。
お寿司やさんにいくと食事の終わりに出される「あがり」は、食中毒対策として理にかなった習慣だといえます。
抗肥満
緑茶に含まれるカテキンとカフェインは、メタボリックシンドロームの原因である肥満を抑制する効果があるとして注目を集めています。
カテキンとカフェインがもつ肥満抑制効果はマウスへの実験で確認されました。
普通のエサを食べたマウスと比べて、お腹の中の脂肪の量が約60%も減少していたのです。
さらに血液中や肝臓中の脂肪量も減っていました。
その後、緑茶の主成分であるカテキンとカフェインの2つを組み合わせることによって、緑茶と同様の顕著な脂肪蓄積抑制効果を発揮することが判明しました。
緑茶成分の摂取と運動を併用することで、効率よく脂肪が消費されることもわかっています。
免疫力アップで健康にも美容にも大きなメリット
前項でご紹介した効能以外にも、美容において緑茶はメリットがあります。
心と体をキレイに保つためには、
・バランスのとれた食事
・十分な睡眠
・適度な運動
など日常生活を見直すことが大切です。
しかし、ライフスタイルの見直しは手間や時間がかかるため、億劫に感じる方もいらっしゃるでしょう。
また規則正しい生活を心がけていても、加齢や紫外線、ストレスなどによって自然と私たちの体は老化現象を起こしています。
こうした老化現象をケアしてくれるのが緑茶です。緑茶に含まれるカテキンには、紫外線などによる肌の酸化を防ぐ働きがあります。
肌の酸化とは、金属のように体がサビることです。
金属や食べ物は空気にふれた状態で放っておくとサビたり変色したりしますが、肌においても同じような現象が起こっています。
常に酸素を取り込んでいる人間にとって、酸化というのはなくてはならない化学反応です。
年齢を重ねると、抗酸化物質などの働きが低下するため、サビが蓄積されやすくなるのです。
そこで役に立つのが、茶カテキンの抗酸化パワーです。
カテキンは、抗酸化物質のなかでも優れた抗酸化力を有しており、紫外線やストレスによる肌の酸化をケアすることができます。
またカテキンは、メラニン色素をつくるチロシナーゼという酵素の働きを抑制するため、紫外線によるシミやそばかすを防ぐ効果もあります。
規則正しい生活や日焼け止めなどによるケアに加え、緑茶を飲むことでエイジングケア効果がよりいっそう期待できるでしょう。
その飲み方、70%も損している?
緑茶が健康や美容にいいことがわかったうえで、さっそく緑茶を習慣に取り入れようと思っている方も多いはずです。
緑茶を飲むメジャーな方法は、「ペットボトル飲料を利用する」もしくは「急須でいれる」でしょう。
ペットボトル飲料は手軽に飲めますが、緑茶のパワーを実感したいなら急須でいれるのがおすすめです。
1999年8月から2000年2月にかけて、京都府消費生活科学センターでおこなわれた「ポリフェノール含有食品比較テスト結果」によると、急須でいれた煎茶(緑茶)に含まれるカテキン量が、ペットボトル入り緑茶飲料に比べて、平均すると約2.5倍も多いことがわかったのです。
しかし急須でいれるお茶でさえも、茶葉に含まれる栄養素の約30%しか摂取できていないということをご存知でしょうか?
残り70%は茶がらに残っており、茶がらを食べない限り大切な栄養を捨てることになります。
また、β-カロテンやビタミンEなどは油に溶ける成分であるため、ほとんどが茶葉に残っています。
手軽に、そして緑茶の栄養分をしっかり摂りたい方は、茶葉を粉末状にしたパウダー緑茶をおすすめします。
パウダー緑茶とは茶葉をそのまま丸ごと粉末状にしたものです。
パウダー緑茶を飲むことで、茶葉に含まれる栄養成分をあますことなく摂取できます。
またサッとお湯に混ぜるだけなので、急須を準備したり、茶がらを処理したりという手間もかかりません。
お茶を沸かす習慣がない方でも、いつものコーヒーブレイクの代わりに簡単に取り入れられるでしょう。
まとめ
健康志向が高まる海外でも注目を集める緑茶。
緑茶の茶葉には健康・美容効果が期待できる成分が豊富に含まれています。
さらに茶葉を粉末状にしたパウダー緑茶であれば、家事の合間、仕事の休憩時間などの一息つきたいときに気軽に味わうことができます。
おうち時間が増えたいまだからこそ、緑茶習慣をはじめてみてはいかがですか?
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